秘境・上海情報 

上海の歴史、租界 戦跡巡り 只今日本に滞在中

柔石の里 中国で一番親切な町

柔石 (1902−1931)中国の小説家
1930年左翼作家連盟の成立とともに幹部として活躍

1931年国民党政府に逮捕され中国左翼作家連盟のメンバー23人と
秘密裏に銃殺 彼には十発の銃弾が打ち込まれ惨い殺され方をした

魯迅記念館で柔石に出会い ひたすら魯迅を守ろうとした姿に
感銘を受け 彼のことを知りたいと思い故郷を訪ねてみました。
 
浙江省寧波市寧海県 上海から高鉄 新幹線で三時間弱
山と海に囲まれた美しい里 知られざる秘境もありそうです。

柔石故居 城関鎮西門柔石路 実家は小さな海鮮問屋を営んでいた
17歳で親が決めた人と結婚、二児の父親になり 24歳で教員になった

1928年農民暴動嫌疑がかけられ上海へ逃亡 魯迅と共に執筆に励む
封建社会を憎み民族解放にペンで挑む 革命に殉じた烈士であった

のちに 毛沢東から家族に栄光の表彰状が届いたそうです。
記念館を守っている館長さんから 説明をうけました。

幼少時代の柔石 家業の手伝いをしながら学業に励む
本が大好きで暗闇でも読んでいた。だから目が悪くなったようです。
親や友人を大切にし 誰にでも親切な優しい人だったそうです。
館長さんも親切で 私に一生懸命話を聞かせてくれました。

彼の故郷を散策 道に迷って公安に尋ねたら 
車で送ってくれました。・・優しくて親切な公安さんでした!

寧海古戦台(城隍廟古戦台)桃源南路20号 ここがすごいんです!

一般に開放していないでようで閉まっていました。露天の骨董やさんが

門を開けてくれるよう頼んでくれました。・・屋根の彫刻は国宝級

呉越 五代十国時代 杭州を中心に浙江省江蘇省の一部を支配した国

鳥の糞がかかっていますが 文革の破壊から守られた貴重な鐘の仏像

天井は クギもネジも糊も使わない重捻木 細かい彫物が施され 

各代の歴史の背景と重なった美術品 仏像の数々が現存していました。 
後に 世界遺産になるのではないでしょうか。

見せてもらえて本当によかった。親切な骨董やさん Vサイン!

いろんな所を旅したけれど中国で一番 親切な人が多い町でした。

仙人が住む山に行った?声を掛けてくれた親切な人

早速 登ってきました。山の中腹 仙人が住む・・
まさかのカラオケバー いまは休業中なようです。

寧海文峰塔 躍龍山の麓 1582年創建 まさに仙人が住んで居そう!

・・柔石も 故郷の人達も みんな親切で優しい人だった・・

悼柔石「柔石を悼む」 28歳という若さで散った 彼への想いを込め
魯迅が書いた漢詩はあまりにも有名

希望に燃えた上海で 雑誌を携え、彼らは何を語っていたのだろう

柔石の名作 短編小説・為奴隷的母親 後にドラマ化され人気を博す
封建的風習に縛られ 家畜のように売られていく女性たち

そんな時代を変えたかった ペンに託し革命を起こそうと・・

そして今、豊かになった中国は柔石の故郷を変えようとしている

龍華烈士陵園に仲間と共に英雄とし祭られている柔石が
いまの世界を知ると どんな小説を書くのだろうか・・