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上海の歴史、租界 戦跡巡り 只今日本に滞在中

中国のローカル病院入院体験記

中国でローカル病院に入院した時の体験記です。何かの参考になればと思い記載します。怪我をした瞬間、これはかなりまずいことになったと確信、一晩様子を見ようと思いましたが激痛で一睡も眠れませんでした。早朝に歴史あるローカル病院の救急外来で診てもらいました。詰めかける患者さんに対し真摯に対応する親切な病院です。私もすぐに血液検査(立ったまま採血され少し驚きましたが)次にCT検査を受けました。思った通り強打した胸の左肋骨は五本も折れていました。一本は外れて曲がり肺にも体液が滲み重症と診断されました。担当の医師が病状は深刻です、ここで治療をするか、高新(西安ハイテク産業開発区)の国際病院で治療をするか選択を聞かれました、痛みで身動き取れない私は、中国の風習に慣れていると思っているので、ここで治療すると答えました。・・それはかなり無謀でした。即入院 絶対安静、先ずは男女混合の大部屋に運ばれました。酸素と心電図をつけ、点滴を受けました。激痛が続き意識が遠のくなか賑やかな雰囲気で落ち着けませんでした。動く右手で写真を撮りました。病院での治療は日本と変わりありません、身動きできない人はお手伝いさん(付き添い)を個人で雇うことなります。(交渉してくれているゲイさん、頼りになります)入院に必要なもの、パジャマや下着、洗面器やバケツも含め洗面用具、シモの話で恐縮ですが尿器や便器(使用しませんでしたが)など個人で用意しなくてはなりません、ゲイさんが準備してくれました。 担当医の好意で部屋を変えてくれました。一人部屋ではないのですが昼間だけ通いの患者さんが点滴を受けにきます。壊れた洗面台の隣で正直気持ちが悪く、固いベットも寝返りができない私に寝心地はよくありませんでした。でも何より静かなのがうれしかったのですが・・大量発生の蚊に悩まされました。ゲイさんが殺虫剤を買ってきてくれましたが一時しのぎで、体中刺されてしまい身動きできない体には相当辛かったです。お世話をしてくれたお手伝いさん・王さんです。食欲のない私のために栄養をつけさせようと気を使ってくれました。入院生活で何が困るというと食事です。入院に食事はついていません。個人で食堂やレストランで食べるか好きなものを買ってきて食べます。自分で行けない人は家族が付き添いするか、お手伝いさんを雇うのが必要になります。予めまとまったお金をカードに補充して渡します。王さんは色々と買ってきてくれるのですが、寝たっきりで体が起こせず寝ながら食べさせてもらうわけで弱りきっていた体に中華は少しきつい、喉に通らなく殆ど食べられません。食べたくないと言っても食べなければ治らないと一生懸命励ましてくれました。ある日彼女はゲイさんに連絡して、あの日本人が全然食べないと相談し、あっさりした広東風のワンタンなら食べれるかもとアドバイスを受けたようです。探し回り自分のお金で買ってきてくれました。全部は食べられませんでしたが彼女が口元にスプーンで運んでくれる温かなスープが身に染みて涙がこぼれました。ありがとう・・。王さんとWeChatを交換し話機能を使って音声でやり取りしていました。今も彼女の声がスマホに残っています。小さい時から農家の手伝いで学校に殆ど行けなかったこと、字が書けず読めないこと、旦那さんが家を建てる時に高いところから落ち大怪我をして働けない、義理父母もいるのでお金を送らなければいけない、二人の子はまだ大学生ですぐにお金をほしがる、彼女は一家の大黒柱、四川省の田舎から出てきて必死に働く姿を見て、彼女の苦労が垣間見れました。大変さを比べたら私の怪我なんて大したことではない、よき人生勉強になりました。病院にはたくさんの人間模様が溢れていました。病棟にはシャワーはありません。洗面所の蛇口からお湯はでないので給湯器から熱いお湯を水で調整しバケツにくんで体をタオルで拭いてくれました。歩いてはいけないと言われたのですがトイレには点滴を持ってもらい壁伝いで歩きました。洋式トイレは男女にひとつしかなくかなり不衛生で。。そのせいか極力トイレには行けませんでした。食欲もでず、ストレスで不眠になり三日目に限界がきました。事情を伝えると、担当のお医者様も安静が必要だと嫌な顔一つせず転院を承諾くださりました。この病院は世界遺産の中にあり建て替えが難しいともいっていました(せめてトイレだけは清潔にと思いましたが)再度CT検査をしてフィルムと引き継ぎ資料を渡してくれました。本当に良いお医者さんで、病院もとても親切でした。王さんは最後まで付き添い見送ってくれました。心から感謝しています。経費は二泊三日の病院の治療費が約3800元、先払い(デポジット)として最初にカードで一万元を預けていたので現金でお釣りが戻りました。付き添いや準備品諸々含め入院費用はトータルで5000元位でした。(ゲイさんが交渉してくれて海外保険に使える診断書は1週間後にだしていただきました。)

 

無料の救急車で転院、こちらは別世界・・常時100台近く救急車が待機しています。西安国際医学中心医院 敷地面積472畝 建築面積96万平方米・・建物だけで東京ドーム20.5個分・・想像を絶する一大シティの面積です・・・この病院は 泊まっていたホテルの紹介でした。友人たちが手続きを手伝ってくれました。最新のシステムが理解できないこともおおく、ゲイさんの通訳は完璧で何から何まで教えてくれ助かりました。患者さんの奏でるピアノの音色が心地よい燦々と日差しが入る清潔なお部屋 シャワーやトイレ付 数日ぶりにシャワーを浴び生き返り、電動ベットなので、ひとりで体を起こせるようになりました。 次回は世界一の病院の滞在記になります。驚くことがいっぱいありました!

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